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レビー小体型認知症とパーキンソン病認知症はどう違う?

レビー小体型認知症は、アルツハイマー認知症に次いで多いと言われる認知症で、脳の神経細胞の中にレビー小体という円形の異常な沈着物が溜まることが発病の要因と考えられています。レビー小体型認知症は、症状が短い期間で変動すること、幻視などの精神症状が現れること、筋肉が硬くなったり、動作が遅くなるというパーキンソン病様の症状がみられることが特徴です。レビー小体型認知症の場合、パーキンソン病様の症状は、ふつうは認知症よりもおくれてでてきて、パーキンソン病より問題が少ない傾向があります。ただし、パーキンソン病様症状がはじめにでて、1年以内に認知症が現れた場合でも、レビー小体型認知症と診断するということになっています。

一方で、パーキンソン病の場合は、レビー小体が脳幹部の黒質に多く現れるため、運動症状が強く現れます。パーキンソン病の患者さんでは、30-40%で認知症がみられるといわれ、70才以降で、発病後10~15年経過してからおこることが多いようです。パーキンソン病と診断された後かなり時間がたって、認知症の症状が出てきた場合に、パーキンソン病認知症という診断になります。

簡単にまとめると、レビー小体型認知症パーキンソン病認知症は、どのような経過で症状が出るかによって区別されていることになります。

(本稿ではMSDマニュアル家庭版を参考にしました。)