認知症予防のさんぽ道

認知症研究者・医師が発信するホットな情報

MCIの診断に必要な心理検査

MCIの診断は難しいということを前に書きました。それは、心理検査の面からも言えることです。認知症の簡易的な検査にMMSE(ミニメンタルステート検査)とHDS-R(改訂長谷川式認知症スケール)があります。しかし、これらだけではMCIの診断には不十分です。これらのテストは、認知症の人をスクリーニングするのに使われるからです。それで、もっと鋭敏な検査をするのが一般的です。たとえば、ADAS (アルツハイマー病評価スケール)、MoCA(モントリオール認知評価検査)、 RBMT(リバーミード行動記憶検査)があげられます。このようなテストには時間と労力がかかりますが、MCIの診断には必須だといっても過言ではないでしょう。どんな心理検査をしているかで、その病院、診療所のMCI診断力が推察できるといえるかもしれません。