認知症予防のさんぽ道

認知症研究者・医師が発信するホットな情報

総論

レビー小体型認知症とパーキンソン病認知症はどう違う?

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症に次いで多いと言われる認知症で、脳の神経細胞の中にレビー小体という円形の異常な沈着物が溜まることが発病の要因と考えられています。レビー小体型認知症は、症状が短い期間で変動すること、幻視などの精神…

アルツタイプのMCIか非アルツタイプのMCIか

MCIという診断がなされた場合、その背景がどういう病態かにより、方針を考えることになると思います。一番の問題は、その背景がアルツハイマータイプか、非アルツハイマーかということです。医師が目安にするのは、脳血流シンチグラフィー検査でしょう。この…

MCIの診断に必要な心理検査

MCIの診断は難しいということを前に書きました。それは、心理検査の面からも言えることです。認知症の簡易的な検査にMMSE(ミニメンタルステート検査)とHDS-R(改訂長谷川式認知症スケール)があります。しかし、これらだけではMCIの診断には不十分です。こ…

MCIの説明の仕方

MCI(軽度認知障害)をどう説明するか、医師により様々だと思います。「障害」という言葉があると、印象が良くないので、もう少しやわらかい言い方を使うこともあります。たとえば白でも黒でもない「グレーゾーン」ですねとか、「認知症予備軍」という言い方…

MCIの治療方針は定まっていない

これはとても重要なことなのですが、MCIの治療をどうするかはまだ定まっていません。認知症治療薬による薬物治療が効果的という証拠はまだ出ていないので、どのような治療方針をとるか、迷う場合も多いといえます。このブログで、MCIの原因は様々ということ…

MCIの原因は様々

MCI(軽度認知障害)と一言でいっても、その中身というか、脳にどういう異常があるかは、人により違っています。一番多いのは、アルツハイマー型の異常がある場合で、アミロイドβという異常タンパク質が脳に塊を作って溜まっていて、神経細胞が悪い影響をう…

軽度認知障害(MCI)とは

前回、認知症になってしまってからでは、進行を抑えることが困難だということを書きました。それは、その時点で、脳の障害がかなり広がっているからです。では、認知症と正常の中間段階はあるのでしょうか。答えはイエスです。認知症の経過を考えた場合、正…

認知症になってからでは治療は困難

認知症は予防が大事であるということは、よく耳にします。予防が大事ということは、どんな病気にも言えることだといえます。予防と同時に早期発見ということも同じくらい大事でしょう。たとえば、「がん」では、予防と早期発見が大事なことは常識になってい…