認知症予防のさんぽ道

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MCIの原因は様々

MCI(軽度認知障害)と一言でいっても、その中身というか、脳にどういう異常があるかは、人により違っています。一番多いのは、アルツハイマー型の異常がある場合で、アミロイドβという異常タンパク質が脳に塊を作って溜まっていて、神経細胞が悪い影響をうけている場合です。このタイプでは、放っておくとアルツハイマー認知症になってしまうおそれがあります。そのほかには、レビー小体型の場合とか、血管性の場合とか、それ以外の特殊なタイプの認知症の前段階の場合などもありえます。そういうわけで、MCIというのは、いろいろな背景のものを総称していることになります。特に一番多いアルツハイマータイプの場合は、アルツハイマーを背景とするMCIというふうにもいわれることがあります。MCIの段階では、原因を識別するのは難しいのですが、脳血流シンチグラフィー検査、MRI検査、臨床症状などが判別に役立つことが多いです。