認知症予防のさんぽ道

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自覚のありなしは重要なポイント

認知症の人が診療所に家族に連れられてやってきても、本人は「自分は悪いところはない」といって、連れてこられた理由がわかっていないことがあります。こうなると、自覚(医学用語で「病識」)がないということで、認知症の一つの症状がでていると考え、かなり進んだ認知症らしいとわかります。

認知症でも初期ならまだ自覚がある場合が多くありますし、MCIでも多くの場合は自覚があり、なんとなくおかしいという感じがあるといえます。家族に勧められて受診する気になるといいのですが、なかなかそういう気にならないこともあるでしょう。ですが、前にも書いたように、MCIの段階で早期発見することが大事ですので、ちょっと忘れやすいとか、記憶力が変だなと思うことが繰り返しあるようなら、専門病院、診療所を受診することが大切です。