認知症予防のさんぽ道

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アルツタイプのMCIか非アルツタイプのMCIか

MCIという診断がなされた場合、その背景がどういう病態かにより、方針を考えることになると思います。一番の問題は、その背景がアルツハイマータイプか、非アルツハイマーかということです。医師が目安にするのは、脳血流シンチグラフィー検査でしょう。この検査で、典型的なアルツハイマーパターンというものは、頭頂連合野、楔前部、後部帯状回に低下がみられる場合をいいます。この楔前部、後部帯状回は、脳のやや後方の内側に入り込んだところで、わかりにくい場所ですが、記憶にも関与する神経が通る、あるいは、あるところなので、重要と言われています。(楔前部の機能はまだ十分に解明されていないようですが。)それで、このようなパターンがみられる場合は、アルツハイマー認知症に進展してしまう可能性があり、予防には相当な努力がいるといえます。早めに認知症薬を使い始めるということもありえます。ただし、MCIの段階であれば、悲観する必要はなく、良医のアドバイスを聞きながら、予防のためによいといわれているいろいろなことに積極的に取り組めばよいと思います。