認知症予防のさんぽ道

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レーズンに含まれるポリフェノール量はトップレベル

レーズン(干しブドウ)は、そのまま食べてもよいし、ぶどうパンやシリアルのトッピングとかとして、私はよく食べています。ですが、レーズンの栄養的な特徴はあまり知られていないかもしれません。そこで、調べてみたところ、特にポリフェノールが多いということがわかりました。

レーズンに含まれるポリフェノールの量は、他の果物やドライフルーツと比べてもトップレベルだそうです。ポリフェノールには多くの種類のものがありますが、たとえばアントシアニンやエピカテキン、ケルセチンなどがあげられます。そのため、抗酸化力も高く、認知症予防にもおすすめできるものといえます。実際、レーズンは生のぶどうの7倍くらいのポリフェノールを含んでいるということです。

また、レーズンには、ほうれん草を上回るほどの鉄分が含まれているということですので、貧血の予防にも役立ちます。さらに、食物線維も多いので、生活習慣病の予防にも適した食べ物といえます。

レーズンには栄養的にとても優れた面があるということを覚えておきたいです。

 

イカとイカ墨のどちらにタウリンは多いのか?

前回と前々回に、イカイカ墨にはタウリンが多く含まれるということを書きました。では、タウリンは、それぞれどのくらい含まれているのでしょうか。イカの種類としては、最もポピュラーなものがスルメイカということで、このイカに絞って調べてみました。スルメイカ自体に含まれるタウリンの量は 350~360mg/100g というデータがでています。

一方、スルメイカイカ墨に含まれるタウリンの量を調べたデータはほとんどないようです。しかし、1998年の東京水産大学からの報告(いか墨、たこ墨のエキス成分ならびに抗菌性に関する研究、日本調理科学会誌 31巻3号)によれば、374mg/100g となっていて、スルメイカそのものとほぼ同じ量なのです。

私もこのデータをみて、驚きましたが、やはりイカ墨にはタウリンが十分に入っているということがわかります。

結論として、イカ自体とイカ墨の中に含まれるタウリン量は同等と考えられます。

 

タウリンの多い食材について

前回、タウリンの抗老化作用について、書きました。では、タウリンを多く含む食材は何なのかについて、簡単にまとめてみたいと思います。

あるサイトによれば、タウリンは貝類に断トツに多いといわれています。

ベスト5をあげると、牡蠣、ホタテ、アサリ(ハマグリ)、タコ、イカ という順になります。

牡蠣には特に多いということは、あまり知られていないかもしれません。タウリンは水溶性なので、煮てたべる時は、煮汁もいっしょに摂りたいものです。

 

イカ墨の栄養とタウリン:注目されるアンチエイジング効果

イカ墨のパスタはとても味わい深く、疲労回復効果もあるような気がします。イカ墨にはビタミンE、ビタミンB類が多く、栄養的にも優れているらしいです。さらに、特筆すべきこととして、タウリンが多いということです。

最近、サイエンスというトップレベルの科学雑誌タウリンの老化防止効果について、論文が発表され、タウリンが注目されています。

その論文では、タウリン血中濃度が老化とともに、著しく低下することが報告されました。そして、人間の60歳前後に相当するマウスに、タウリンを餌に混ぜて長期間与えると、骨量や筋力が増えて、健康度がたかまり、寿命も延長したそうです。また、運動量を増やすことで、血中のタウリン濃度が高まることも示されました。

タウリンに、アンチエイジング効果があるとすると、イカ墨などの食材は積極的にとりたいおすすめなものといえそうです。

 

次のサイトを参考にしました。

タウリンは老化防止に役立つ可能性 米コロンビア大の動物実験で判明 | Science Portal - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」 (jst.go.jp) 

 

黒糖の成分オクタコサノールの意外な効用とは

黒糖というと沖縄や奄美大島などの黒糖のお菓子を思い出します。私は最近、黒糖のお菓子ー黒糖ピーナツなどを気に入って食べています。

黒糖はミネラルを多く含んでいて健康にもよいということですが、それ以外にも注目すべき成分として、オクタコサノールという生理活性物質を含んでいることが知られています。これは、脂肪族アルコールの1種で、サトウキビの表皮に含まれているそうです。

このオクタコサノールには、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす作用があるということで、成人病の予防にも役立つと考えられます。また、持久力を高める効果もあるということです。

そして、さらに興味深いことに、オクタコサノールなどのポリコサノールにアルツハイマー病モデルラットに対する改善効果があるということが最近報告されました。この研究では、ラットの脳室内にアミロイドβを注入して、記憶障害などの異常が現れるというモデルを使っています。このラットにポリコサノールを経口的に投与したところ、認知機能障害が有意に抑えられたということです。

オクタコサノールは成人病だけでなく認知症の予防にも役立つ可能性があります。

黒糖を摂ることは成人病だけでなく認知症の予防にも役立つかもしれません。黒糖の栄養効果について再認識したいものです。

 

次のサイトを参考にしました。

オクタコサノール | 成分情報 | わかさの秘密 (wakasa.jp)