認知症予防のさんぽ道

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コーヒーに含まれる成分ゲニステインと認知症予防

最近、エスプレッソコーヒーの抽出物が、アルツハイマー病の原因物質の一つタウタンパクの凝集を抑えるということが報告されて、話題になっているようです。この論文はイタリアの研究者によるもので、主に試験管内での実験をしているので、その結果をすぐに病気に結び付けられるとはかぎりません。しかし、私は姉妹ブログでコーヒーの摂取が多いとアミロイドβが脳にたまりにくくなるということを紹介しましたが、そのような効果にも関わっている可能性はあるかもしれません。

ところで、その論文の中で、研究者は、コーヒーの成分として、カフェイン以外にゲニステインという物質を使っていて、ゲニステインにもタウの凝集を抑える効果があることを示しているので、この物質も重要なのかもしれません。

実際、ゲニステインは、イソフラボン類の化合物で、抗酸化作用を持っており、さらに抗ガン作用も知られています。分子量は270と小さく、血液脳関門を通過しやすいことが知られています。ゲニステインはソラマメにも多く含まれているそうです。

コーヒーの成分としてカフェイン以外にも、ゲニステインは活性分子として注目すべきものといえます。

参考記事:エスプレッソがアルツハイマー病の原因物質を破壊する可能性が示される | TEXAL